2013年02月03日
◆坂口恭平 新政府展


2月2日。 ワタリウム美術館 「坂口恭平 新政府展」 から GAギャラリー「設計のプロセス展」へ。
なんとも両極端なふたつの展示を観たのでした。
0円生活、モバイルハウス・・・今の社会の中で建築がもたらす弊害や疑問。建築をしない建築のあり方。
そしてかたや、今をときめく建築家たちの作品。膨大な建築費用とおそらく維持費もかかるだろうと思われる最先端の建築。
自分はどちらに共感できるか、ということなのかな。
設計を業としている者が「建築をしない」ことに共感してもよいものかどうか(笑)
しかし、実際にどうかということよりも、今の社会構造の中にある「建築」の現実をとらえ、問題を直視することには意味を感じます。
とりわけ 経済活動の中での「建築」は固定資産。 税金、相続・・・人の一生に大きく関わります。
「建てる」という夢とは裏腹に、恐ろしく重い現実としてのしかかってきます。
日本の「建築」はこのままでいいのだろうか、という思いは常に自分にもあります。
また、坂口恭平の今和次郎を彷彿とさせる観察スケッチは圧巻です。建築というよりも人の生活感や生き方に視点をむけていることは、私にとってはツボでした。
ワタリウム美術館は アートディレクターの 森本千絵展 も開催されていまして、大変なにぎわいでした。
和多利さんご一家と御親交のある松隈様にご同行いただき、感謝いたします。
この展覧会にあわせて出版された「思考都市 坂口恭平」を読みながら 静岡までの帰路はあっという間でした。
