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2010年09月25日

◆妖怪建築-1

◆妖怪建築-1先日。「YAH!YAH!YAH! わたしの袋井写真展」のためのワークショップ後に、袋井のどこかを撮りに行こう、という話になり。
可睡斎の「護国塔」をリクエスト。
実家がここの檀家でありながら、護国塔までは、なかなか登っていかないものである。

この塔は、日清日露から太平洋戦争に至るまでの幾百万の霊を祀っている という。
明治44年2月落成。
日置禅師が伊東忠太博士に委嘱して設計された印度最古のガンダーラ式建築。
高さ18m。静岡県指定有形文化財(昭和53年指定)

設 計:伊東忠太   施工管理:佐野利器
石 工:村石梅太郎  左 官:松浦勝蔵
工期:明治40年9月~44年2月 (3年半)


さて、この伊東忠太という先生。 建築界では重要な研究をした方で、1867年(慶応3年)山形県米沢生まれ。帝国大学(現東京大学)の工学博士となります。法隆寺が日本最古の寺院建築であることを「法隆寺建築論」により学問的に示しました。また、建築学研究のために、中国、インド、トルコ、などを周り、建築や遺跡を調査し、建築史学を樹立。文化勲章受章。1954年(昭和29年)逝去。享年87。

その活躍は研究だけでなく、明治神宮・平安神宮・築地本願寺など社寺建築や近代建築、果ては、怪奇な動物のデザインもする建築家だったのです。

◆妖怪建築-1伊藤忠太は妖怪好きでも知られ、建築のレリーフのあちらこちらに、妖気を放つ動物がデザインされています。狛犬のデザインも有名です。
(一口に狛犬と言っても、大変奥が深いのでありますが)
←可睡斎護国塔の狛犬クン

青空文庫に伊東忠太の妖怪研究なる文が。
妖怪を 「芸術的に観察する時は非常に面白い」 んだそうです。

つまり、水木しげる さんより、ずっとずっと以前に、こんな風に妖怪をカタチにあらわして楽しんでいたわけですね。
ただ、水木しげるの妖怪は、日本の生活感みたいなものがベースになっていますが、伊東忠太の場合は、日本のそれとは違うエキゾッチックな空気を感じます。

◆妖怪建築-1
護国塔上部のレリーフ
馬・・・がモチーフでしょうか?
◆妖怪建築-1

・・・次回に続く


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