◆妖怪建築-2
伊東忠太 妖怪図案集↑ 忠太の描いた妖怪の数々。 エキゾチックである。
前回の記事で 「可睡斎護国塔」の設計者が 伊東忠太 というお話しをしましたけれど。
可睡斎の新しい山門も、この伊東忠太の設計図を基にしたもの。だそうです。
昭和10年に伊東忠太に設計を依頼したが、完成に至らず、76年の時を経て、平成22年、落慶。
山門建立に尽力された方々には申し訳ないけれど、私は 「これが伊東忠太?」と、思ってしまうのであります。
どうやら、設計図を基にしてはいるけれど、縮小して造られているらしい。
鬼瓦。
忠太風ではあるけれど、
あの迫力に欠ける。
なんかアニメチック。^_^;
湯島聖堂はこんな感じなのですが⇒
←東京都慰霊堂
↑
築地本願寺の動物たち
もしかしたら、設計図に忠実に建築していたら、違和感はなかったかもしれない。
瓦などの大きさは変わらないまま、建物だけを縮小すれば、建物全体のバランスは当然、崩れる。
時を経て建築されたという物語としては美しいのだが、これに設計者として名前を使うのは如何かと思わざるをえない。
そして何よりも、伊東忠太が存命であったら、所員なり本人が、設計監理として、現場に赴いたはずである。
この全体の迫力の無さは、そこにあるのだと思う。
設計者が、想いをこめて現場にたつ。 自分の描いたものが、カタチになるように。
そして当然、施工者もそれを受けて、緊張感を持って現場にむかうのである。
カタチだけを真似ても、精神は表現できない。 と思う。
せっかく、築100年にもなる、これぞ伊東忠太という護国塔が存在するというのに。
少しだけ、残念な気持で山門をくぐるのであります。
・・・次回に続く
関連記事